二次元のジェンダー PR

りぼんの少女漫画「さよならミニスカート」を男性が読むべき理由【感想・考察】

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世の中の男性で少女漫画雑誌「りぼん」を読んだことがある人はどれくらいいるんだろう?

「りぼん」の漫画ではないが、僕が学生の頃は矢沢あいの「NANA」が流行っていて、クラスの女子が持ってきた「NANA」がリア充の男子たちに回し読みされたりしていた。

まぁ陰キャの僕にその漫画が回されることはなかったのだが。

まぁ別に構わない。僕は幼い頃から生粋のオタクだったから、アニメ化されていた「こどものおもちゃ」やら「神風怪盗ジャンヌ」なんかを見ていたし、なんなら自分で「りぼん」を買っていた。

自分でもあの時なぜ「りぼん」に手を出したのかは分からないが、そんな背景もあり僕は少女漫画も好きだ。

その「りぼん」で掲載され、「このマンガがすごい 2020 オンナ編」で第一位にもなった漫画「さよならミニスカート」が大きな反響を読んでいる。

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あえてはっきりいう。

めちゃくちゃ面白いわけでも、素敵な恋愛描写があるわけでも、ましてや読了感が心地いい作品ではない。(特に男性には)

「さよならミニスカート」のキャッチコピーは、「このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。

これはおそらく男性にも当てはまる。

このまんがに、無関心な男性はいても、無関係な男性はいない。

「さよならミニスカート」は少女漫画を普段読むことがない男性、それこそ「りぼん童貞」のあなたこそ一読の価値がある漫画だ。

今なら漫画アプリの「少年ジャンプ+」にて全話無料で読むことができる。
まぁ、ものは試しで読んでみてほしい。

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「さよならミニスカート」のあらすじ

元トップアイドルだった少女、神山仁那。仁那は握手会で傷害事件に遭ったことをきっかけにアイドルを引退。

スカートをはくことをやめ、転校した学校で男性のような見た目で過ごしていたが、唯一仁那の過去に気づいた同級生の男子、堀内光に惹かれていく。

しかし光は傷害事件の容疑者に酷似する特徴を持っていた・・・事件の犯人は誰なのか、アイドルであること、女性であることを諦めた仁那の先には何が待っているのか。

「さよならミニスカート」の魅力・テーマとは

本作は「アイドル握手会で起きた傷害事件」という実際に遭った事件をモチーフにしたサスペンス形式で物語は進んでいく。

しかし物語の本題はそのストーリーよりも

「女の子とは?」

「“可愛い”は誰のためにあるのか?」

といった女性目線の性に関する問題、つまりジェンダーをテーマに据えた作品だ。

作品に出てくる少女たちは、自分が「女性」であるという事実をそれぞれの解釈で受け止め、あるいは受け入れながら生きている。

女性であることに抗う少女
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求められる「可愛さ」に縛られる少女
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自分が悪いと諦める少女

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少女たちにとって「女性」であることとは?

「さよならミニスカート」には僕たちが知らなかった「少女」がそこにいる。

「さよならミニスカート」が描くジェンダーとは

“ジェンダー”と聞くと、不快感を持つ男性も少なくない。

女性のジェンダー論を語る上で「男性の性」は加害者として扱われることが多い。

一部の意見はあまりにも過激で、ジェンダー論を通り越してただの「男性蔑視」・「男性差別」でしかないものもあり、不快感を示す人がいるのも無理はない。

「さよならミニスカート」にもそういった感情を抱いてしまう部分は少なからずある。

実際、古いステレオタイプ的な男子キャラクターが登場し、「女性の性」をぞんざいに扱う姿は、「男性の性」をあまりにも加虐的に描いている。

そのシーンを読む度、同じ男性としては苦々しく感じる。それこそ「男性とはこういうものだ」という偏見に満ちているとも言える。

しかし、その描写をみて気づくこともある。

僕たちは極端な話をすれば、

「いつだって誰かに消費され、そして誰か消費して生きている」ということを。

これは性別だけではない。父親という役割・母という役割。子供という役割。あるいは社会上の身分でもいい。

誰だってこの社会で生きる以上、何らかの役割を担うことになり、人は無意識ではあるが誰かの役割を消費し、消費されながら生きている。

そして場合によっては不当な役割を押し付けられ、あるいは必要以上に搾取される人が存在する。

ほとんどの人々は世界が平等であることを望むだろう。しかしこの世界のどこをみても平等なんてものは存在しない。

僕たちは常に不平等の中で誰かに役割を押し付け、押し付けられながら生きている。

「無意識の中で行われている搾取」というのが世の中には至る所に存在し、その一つに女性の性の問題がある。

僕らは結局男性である以上、女性の気持ちを完璧に理解することなどできないし、そこには必ず隔たりが存在する。

当たり前だが「さよならミニスカート」を読んだって女性の気持ちを分かった気になるだけで、本当に理解できるはずもない。

しかし「自分には、あるいは男性にはわからない感情・感覚が女性にはある」

という事実を理解することはできる。

そして、その事実の中で僕たちはどう振る舞い、どう生きていくべきなのか。

その答えを「さよならミニスカート」に対して求めるのは少々酷ではあるけれど、一つの答えを導いてくれる作品になるかもしれない。

2020/7 現在、連載は休止中だが、今後の展開に注目していきたい少女漫画筆頭なのは間違いない。

「さよならミニスカート」は漫画アプリ「少年ジャンプ+」で全話無料で読むことができる。

この機会にぜひ読んでみて欲しい。

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※掲載している画像は『さよならミニスカート』 著:牧野あおい より引用しています。

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