備忘録も兼ねて近年の「漫画・アニメなどの二次元作品に関する性的搾取・性的消費」に関連する騒動を時系列順にまとめました。
世間の反応・私個人の意見などは書かず、騒動のきっかけ・その後の展開など、事実だけを記載するようにしています。
タップできる目次
2015-2017
碧志摩(あおしま)メグ騒動 2015/8
https://t.co/qcYiaOVyHb pic.twitter.com/n6aHjA0Dk2
— 碧志摩メグ 🦐 公式 (@aoshimamegu) June 20, 2020
騒動のきっかけ
三重県志摩市公認の海女の萌えキャラ「碧志摩(あおしま)メグ」に対して、地元の主婦が「胸や太ももなどの表現に顕著な性的誇張表現」を問題視。志摩市の公認撤回を求める署名運動に発展した騒動。
騒動の結末
ネットの署名運動には7千人以上が署名が集まる。地元の海女・関係者による署名と合わせて市に提出。
同年11月、碧志摩メグの企画会社から志摩市に公認撤回を申し出。志摩市がその申し出を受理したことで、碧志摩メグの公認は撤回された。
騒動のその後
碧志摩メグは「志摩市の“非公認”ご当地萌えキャラ」として存続。
ラッピングバス・アニメ化などのクラウドファンディングを達成、地元出身の人気声優である小松未可子を声優に抜擢するなど、伊勢志摩の観光推進のために積極的に活動を続けているようです。
「ロリコン、性差別」「海の文化バカにするな」サミット開催地・志摩で海女の萌えキャラ大炎上(Yahooニュース)
三重県志摩市公認萌えキャラクター「碧志摩メグ」の公認撤回を求める署名運動(change.org)
海女モチーフのキャラクター「碧志摩メグ」、市の公認取り消しも東京で“ラッピングバス”や“ゆるキャラ”になるほど人気のワケ(中京TV NEWS)
のうりん スタンプラリーポスター騒動 2015/11
騒動のきっかけ
ライトノベル・アニメ「のうりん」と美濃加茂市観光協会がコラボしたスタンプラリーポスターにおいて、キャラクターの胸が強調されている画像を使用したことからネット上で「セクハラ」・「女性蔑視」など批判を受けた。
騒動の結末
批判を受け、美濃加茂市観光協会はポスターのデザインを変更した上で、スタンプラリー企画を継続。

2018-2020
キズナアイ NHK特設サイト起用騒動 2018/10
騒動のきっかけ
人気バーチャルユーチューバー「キズナアイ」がNHK特設サイト「ノーベル賞 まるわかり授業」に起用されたことに対し、弁護士の太田啓子氏が「性的に強調されたキャラをアイキャッチにしている」とTwitterに投稿したことがきっかけ。
NHKノーベル賞解説サイトでこのイラストを使う感覚を疑う。女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写されアイキャッチの具にされるがよりによってNHKのサイトでやめて。このサイトで女性受賞者は少ないの?とか書いてるけどこれじゃ理由わかんないんだろう https://t.co/BlRyawbXaf pic.twitter.com/JwekrmMJHT
— 弁護士 太田啓子 「これからの男の子たちへ」8/24販売(予約受付中)(大月書店) (@katepanda2) October 2, 2018
その太田氏のツイートに対し、武蔵大学社会学部教授の千田有紀氏がキズナアイというキャラクターに理解を示しながらも、企画内におけるキズナアイの役割が「女性は理系が苦手・男性をサポートするべきといった女性差別を助長しかねない」とYahooニュースに寄稿。両氏の意見に対し多くの意見が寄せられることになった。
騒動の結末
騒動後もNHKは特設サイトを閉鎖することなく公開。2020/7現在も該当のコンテンツを視聴することができる。
宇崎ちゃん 赤十字献血ポスター騒動 2019/10
騒動のきっかけ
日本赤十字社と漫画「宇崎ちゃんは遊びたい!」がコラボした献血ポスターが「過度に胸を強調した性的なデザイン」だと問題視した外国人男性のツイートが騒動の発端。
I admire the work the Red Cross does, which is why I’m disappointed that @JRCS_PR in Japan would run a campaign using the over-sexualized Uzaki-chan. There’s a time & a place for this stuff. This isn’t it. #women #metoo #kutoo pic.twitter.com/bhds7IPPTq
— Unseen Japan @ BLM だよ (@UnseenJapanSite) October 14, 2019
上記のツイートに反応した弁護士の太田啓子氏によるリツイートでさらに騒動が大きくなった。
日本赤十字社 が「宇崎ちゃんは遊びたい」×献血コラボキャンペーンということでこういうポスターを貼ってるようですが、本当に無神経だと思います。なんであえてこういうイラストなのか、もう麻痺してるんでしょうけど公共空間で環境型セクハラしてるようなものですよhttps://t.co/KV5g0W8JpK https://t.co/43EpSlzHOp
— 弁護士 太田啓子 「これからの男の子たちへ」8/24販売(予約受付中)(大月書店) (@katepanda2) October 14, 2019
騒動の結末
批判を受け、日本赤十字は宇崎ちゃんとのコラボポスターを撤去。その後、日本赤十字は広告表現のガイドラインを策定。謝礼品のクリアファイルのデザインを変更してキャンペーンを継続。
今日から関東で赤十字コラボキャンペーン開始です
イラストでもよかったんですけどクリアファイルは両面使えるので今回は2ページカラー漫画にしてみました
続きの裏面は献血後にお読みください
今回も皆様の献血のご協力よろしくお願いいたします pic.twitter.com/Qd7FlxJXv9— 丈(たけ)■宇崎1~5巻発売中 (@syokumutaiman) February 1, 2020
「娘の友達」 騒動 2019/11
騒動のきっかけ
漫画雑誌「モーニング」の公式Twitterにて「アラフォー男性と未成年の女子高生を主題に描いた漫画『娘の友達』を広告動画付きで投稿。その内容が「犯罪を扇動している」「児童の性的搾取を助長する」と物議になる。
家庭では父親として、会社では係長として、理想的な自分を演じるように生きてきた主人公・晃介。
だが、娘の友達である少女・古都との出会いにより、人生は180度変化する。彼女の前では本物の自分でいられた。すり減った心は癒されていった。それが“決して抱いてはいけない感情”だと知りながら…。
— モーニング公式 (@morningmanga) November 15, 2019
上記を取り上げたBLOGOSのネット記事に対して、評論家の勝部元気氏の批判的なツイートが発端となり騒動に発展。
あり得ない。即中止を求める。仮にこのような作品を成り立たせたいならば、主人公が逮捕されて破滅しなければならない。たとえファンタジーでも悪は悪として描かなければならない。
女子高生と中年男性の関係を描く漫画『娘の友達』が物議 「性的搾取を助長する」との声もhttps://t.co/TQZUzmHHPO— 勝部元気 Katsube Genki (@KTB_genki) November 25, 2019
騒動の結末
ネット上で大きな騒動となったが、騒動の渦中でもモーニング編集部に直接の抗議は一切なかった。(下記リンク記事参照)
騒動後も「娘の友達」は連載を継続している(2020/7時点)
ラブライブ!サンシャイン!! みかん大使パネル騒動 2020/2
騒動のきっかけ
沼津市西浦地区特産の「寿太郎みかん」をPRするため、JAなんすんと人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」がコラボ。その際に設置されたキャラクターの等身大パネルのデザインが「スカートが透けているように見える」・「過度に性的な表現」といった批判的な意見が寄せられた。
【沼津】JAなんすん様より熱いオファーを頂き、本日、高海千歌が『西浦みかん大使』に就任致しました!!
千歌ちゃんに代わって高海千歌役・伊波杏樹が、ららぽーと沼津にて行われた大使就任式に出席しました。
これからも沼津のみかんを、地元の元気を世界に伝えていきます!!🍊🍊🍊#lovelive pic.twitter.com/gcqbnyHriR
— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) February 12, 2020
騒動の結末
批判を受け、JAなんすんはコラボ企画は継続したものの、展示されていたパネルはわずか4日間で撤去(移動?)
撤去後、ネット上では「パネルの再設置を求める署名活動」が始まり、2万人近くの署名が集まる。
別記事にて否定派・擁護派の意見を整理し、問題点を考察しました。
合わせてこちらもご覧ください。

「宇崎ちゃん献血ポスター」・「ananのSEX特集」の違いは何? 2020/7
騒動のきっかけ
女性誌『anan』のSEX特集の表紙・広告デザインに対して、「宇崎ちゃんの献血ポスターが環境型セクハラでananが該当しないのはなぜ」というツイートが話題に。
宇崎が環境型セクハラって言われてるのに、SEX特集は環境型セクハラに該当しないのはなぜ pic.twitter.com/HBNDoJkXCf
— かしわもち (@ARL0805) July 30, 2020
宇崎ちゃん騒動の詳細はこちらから
騒動の問題点・意見
別記事にて論点を双方の意見を整理しました。

少年ジャンプへの「エロ」と「性暴力」に関する署名運動 2020/8
本件のきっかけ
オンライン署名活動サイト「Change.org」にて週刊少年ジャンプの性表現に関する署名活動が行われる。
署名の発起人は関口学氏。
change. orgで、
「『ぼくたちは/男子たちは 狼なんかじゃない』少年ジャンプは「エロ」と「性暴力」の違いを区別してください」
の署名を立ち上げました、賛同する方は署名よろしくお願いします!https://t.co/OjgUD7Bz9Z— 関口学 (@b27rme2H6vC3bSN) August 11, 2020
本件の進展・結末
署名運動には4,000人以上の賛同が集まり、署名・意見をまとめた要望書を関口氏が集英社に届けるとのこと。
関口氏は本件をまとめた上で、今後はこの問題に関する活動はしないことをTwitter上で報告。
しかし関口氏のTwitterアカウントは本件のためだけに作られた新規アカウントであり、要望書に書かれた文章においても不自然な点があるとして、関口氏の活動・存在を疑問視する声もある。
まとめ
本記事はアニメ・漫画などのいわゆる二次元の創作物において騒動・話題となったジェンダーに関する情報をまとめております。
騒動の発端から顛末までを恣意的な意図を含めずに単純に事実だけをまとめるよう配慮しております。
本記事に対して抜け・漏れ、誤り、ご意見等がございましたらコメントにてお知らせいただけますと助かります。